トレーニング前後の成長ホルモンの分泌
低強度や中強度でセット間に短い休息をはさんだ負荷方法においては、運動後に成長ホルモンの
著しい分泌増大が生じます。しかし、セット間の休息を長くとると乳酸の産生が減少し、
成長ホルモンの分泌は抑制されます。
このことはウエイトトレーニング中における筋内での代謝環境の変化が、筋肥大に重要な
成長ホルモン分泌量を決める1つの要因になっていることを示唆しています。
筋肉の増量に必要な成長ホルモンの分泌は、10代後半から年齢と共に減少していきます。
人間、50歳を過ぎれば虫眼鏡の世界になっていく様子が下図からお分かりいただけるでしょう。
年齢ごとの成長ホルモン分泌量の変化
成人成長ホルモン分泌不全症情報サイトNordicare AGHDより引用
成長ホルモンの分泌量は、思春期前を1とした場合、思春期後半にはおよそ2倍の量が分泌されます。
その後、分泌量は加齢と共に徐々に低下していきますが、成人後も一定量は分泌されます。
しかし、レジスタンストレーニングを理論に従って効果的に行うと「年齢に関係なく」成長ホルモン
の分泌が促進されます。
次のグラフはデッドリフトをメインとしたトレーニングの前後の成長ホルモンの分泌を測定した結果です。
被験者は男性でそれぞれの本格的なレジスタンストレーニング歴と年齢は
・被験者Aはトレーニング歴10年の65歳
・被験者Bはトレーニング歴 半年の23歳です。
グラフをよく見てください。高齢者に希望を与える結果がここから読み取れるでしょう。
理論にかなった正しいトレーニングをすることによって、60歳を超えた高齢者でも常識では
考えられないような成長ホルモンの分泌がみられます。これは「俺もまだまだ捨てたものではない」
と希望の光を与えてくれる結果です。
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