74kg級 山本航平選手

2017年愛媛国体で2位、2018年東北ブロック大会
でも総合優勝を果たした東北大学の山本航平選手
にお話を聞くことができました


       

まず前提として私の記録の推移を書いておきます。
もともとギアしか出ていなかったので最初の数年は
ノーギアのだいたいのトータルとなってます。

1年目:400
2年目:480
3年目:540
4年目:585
5年目:600
6年目:602.5
7年目:615
8年目:602.5
9年目(今年):600


@練習頻度について教えて下さい。

5回/週、3時間/日

A三種の練習頻度について教えて下さい。

基本的に練習の日は三種ともやる。
疲れによってはやらない種目があったりもする。

B具体的な練習メニューを教えて下さい。

三種目ともにまずはMAX、またはMAX手前の重量を挙げる。
それで終わりであったり、その後セットを組んだりする。
基本的に気分で決めているのであまり計画的ではない。
セットは5回1セットがベース。
セット数は本当に気分次第。

トレーニングメニューの一例
スクワット
20kg×8
70kg×5
110kg×5
140kg×3
170kg×1
ここまでアップ
190kg×1
200kg×1
頑張る日はここからセット
170kg×5×3
さらに頑張る日はここからおまけ
110kg×10×5

ベンチプレス
20kg×5
60kg×5
100kg×5
120kg×3
130kg×1
ここまでアップ
140kg×1
145kg×1
(調子が良いときはさらに150kg×1)
頑張る日は
130kg×5×5
120kg×5×3
さらに頑張る日は
110kg×5×3
100kg×5×3

デッド
100kg×3
150kg×3
190kg×3
220kg×1
ここまでアップ
240kg×1
250kg×1
頑張る日
220kg×5×3
さらに頑張る日
190kg×5×3

マックスをやらずにセットだけの日は
5回×5セットが目安
マックスをやる日は
5回×3セットは目安
ただしベンチは頑張れるので重量を変えて
たくさんセットをする。

C練習メニューの変更頻度は

なにかきっかけがあったときに変える。
主に大会がきっかけになります。
自分が出場した大会であったり、
世界大会の動画を見たりしたり。
ちなみに今回の東北大会の前後でメニューは
ガラッと変わってます。
(まだ試験中ですので今回は東北大会以前を
 ベースに答えています。)

Dインターバルの長さはどのくらいですか。

長い。
息が整っていけると思うまでなので5〜10分ほど。

E補助種目はやりますか。

スクワット:ハーフスクワット、クウォータースクワット

ベンチ:ダンベルベンチ、ナローベンチ

デッド:ナローデッド、ナロースタンスワイドグリップデッド
(手幅は81ラインぐらい)

Fどのような時記録が伸びましたか。

なにも考えなくてもフォームがしっくりくるとき。

G記録が伸び悩んだ時はどうしますか。

フォームを試行錯誤する。
思いつきで適当な補助種目を入れてみる。

Hこれは重要だと思うテクニックはありますか。

リズムをとること。
しゃがむ前、降ろす前、引き挙げる前にどう動くか。
私はこれを予備動作と呼んでます。

予備動作について

私が言う予備動作はルーティンの中に含まれている。
例えば呼吸法は予備動作でありルーティンでもある。
バーを右手から握るはルーティンではあるが
予備動作ではない。
予備動作とはバーを降ろす(挙げる)寸前の
動作のことを指している。
ちなみに呼吸法については予備動作として入れても
いいと思うが、私はあまり重要視していない。

スクワット
(バーをかついでスタンスをとった後)
重心をかかとに持っていく
(ここら辺でスクワットがかかる)
重心を足の中心に持ってくる
ヒザのロックを外す
(あとは真っ直ぐしゃがむ)

ベンチ
呼吸と同時に胸をせり上げる
(ここら辺でスタートがかかる)
ヒジのロックをとき少しだけ下げる
(ヒジのフィニッシュが甘い人のヒジをぐらいにする)
(あとは下げる)

デッド
(バーを掴む)
引く動作を3回繰り返す
(このときに背中周辺にテンションをかけ固める)
呼吸を整えてヒザを伸ばし腰を高く上げる
引く動作に入る
(だけども上半身を中心に6割ぐらいの力をかけるだけ)
もう一度ヒザと腰を入れ直す
(あとは挙げるだけ)

スクワット、ベンチについては下げる段階も
予備動作と言ってもいいと思う。
いかにうまく挙げ始められるかに焦点を置いているから。

デッドは下げる動作が事前に入らないので、
特に予備動作を重視している。
スクワット、ベンチはあくまで下げやすいリズムを
とるためにやっている。

Iおすすめの練習方法はありますか。

補助種目なんてのは好みの問題なので、
三種目をしっかりやること。

Jよく見る間違った練習法はありますか。

基本的に練習法に間違いや正解なんてないと
思っているので後輩にも好きにやらせてます。
ただ、つぶれてから他力を借りて無理やり続ける
フォースドレップスはあまり好きではない。

Kモチベーションの維持のために何かしていますか。

大会に出ること。
エントリーを眺めているときが一番楽しいので。

L強くなるために必要なことは何ですか。

自分で研究できること。
自身においてどういうフォームがいいのか、
どういう練習メニューがいいのかなどを自分で
考えられること。

Mケガをしたことはありますか。

ヒザ、ふともも、ヒジ、手首は
ケガをしたことがある。

Nケガをしたときの対処法を教えて下さい。

ムリなら練習をしない。
やれるなら練習をする。

Oピーキングはいつごろから始めますか。

減量と一緒で一カ月前ぐらいから。

P試合での失敗はありますか。

過去に各種目一回ずつ、計三度の失格がある。

Qサプリメントは摂っていますか。

摂取していない。

R食事について注意していることはありますか。

特になし。

S宮城のパワーについて感じることはありますか。

私が1年目のときの県パワーの出場者はたったの6名。
それに比べると選手がかなり増えたなと思う。

21.宮城が強くなるために必要なことは何ですか。

県パワーを年二回開催にすること。

22.将来の目標は何ですか。

日本チャンピオンになって世界大会に出場すること。

23.パワーリフティングに対する持論はありますか。

重量をやらないと強くなれない。
なので私は毎日のようにつぶれてます。

24.東北大ボディビル部に一言お願いします。

もっと練習しろ

25.山本選手にとってパワーリフティングとは。

私の人生において無くてはならいもので、
もう切り離すことが不可能になってしまったもの。


山本選手のように毎年大会に出て優勝し続ける
ことは決して容易な事ではありません。
毎回3種目、週15時間の練習量と研究し続ける
姿勢がそれを成し遂げている要因だと思いました。

一方、サプリに頼らずとも成績を伸ばしていける
ことも証明してくれています。

2019年には宮城を離れる山本選手ですが、彼が
宮城県のパワーリフティングに与えた影響は
計り知れず、今回も宮城の選手のレベルアップの
ために細かい質問にも快く答えて下さいました。

深く感謝申し上げます。
 

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